ヘ音記号のひとりごと

モノ多め、音多め。日々徒然なるままに生きていきたい。

2014/11 海上自衛隊横須賀音楽隊 @ミューザ

秋の気まぐれな天気と相まって、なかなか気分も安定しない最近ですね。もっぱら私は週末某ソファ選びに苦労しているのですが、演奏会に行ったのでそちらの簡単レビューをば。

 

海上自衛隊横須賀音楽隊 川崎ふれあいコンサート @ ミューザ川崎シンフォニーホール

自衛隊の演奏をご存知でしょうか?まぁ、プロといってもお金を稼ぐための演奏ではなく、隊員のため、国民のための演奏をする彼らですからあまりスポットライトが当たることも無いかもしれません。が、入隊するためには音大レベルの高度な技術が必要で、かつ自衛隊員としての基礎体力も求められるためそれはそれは厳しい門です。横浜近辺では、海上自衛隊の横須賀基地を本拠地とする横須賀地方隊があり、絶品の吹奏楽を聞かせてくれますが、今回は川崎での初めてのコンサートです。運良く入場券が当選したためお邪魔してみました。簡単に感想をば。

  • プログラムはコンチェルト4本、うた、委嘱作品、ボレロというなんとも硬派なプログラム。一般の人にはちょっと辛いんじゃないかと思いました。まぁ私は非常に楽しめましたが…
  • 最初はFlの女性隊員。ちょっとはやいパッセージに指に引きづられてしまったかなぁ、もう少し歌えれば問題ないのかもしれないんですけど、まぁしょうがないかな。
  • 続いてはClの女性隊員。伴奏のレベルも非常に高く、Jazzyなスパーククラコンを吹きこなしていました。4人のソリストの中では一番好きでした。
  • 横須賀に配属された2代目歌のおねーさん。8月に配属されたそうで、私は初めて演奏を聞きました。Jupitarは結構緊張感満点の歌い方でした。幕間でアリアを歌っていたのですが、歌い方が完全にクラシック向きですね。アンコールの時は少しリラックスしていましたが、これからの経験に期待しましょう。
  • パントマイムはT.Saxでの披露でした。しかし、上手いんだけど、なんか違うような…。もう自分がEuphを聞き慣れすぎているからだと思うのですが、なんか違和感が…。
  • アルチュニアンはなかなかGoodでした。これも難しい曲ですが、伴奏のレベルがものすごく高いです。男性隊員は潮風を感じる(日本海側!)らっぱでした。信号ラッパの血をひいていますね。たぶん。演歌とか上手そう。
  • アンコールのお約束、「軍艦マーチ」。これを聴けるだけでもこの演奏会に来る意味があります。もうオカズはいらない、ご飯何倍でも食べれるような、日本海軍の伝統を受け継いだ美麗なマーチです。
  • バンド全体の特徴としては、非常に統率がとれた美しい音です。音の長さ、ピッチの統率感は一般の楽団とくらべて追随を許しません。陸は軍隊チック、海は華やか、空はスマート。自衛隊にもそれぞれ個性があります。横須賀は海の中でも中央音楽隊に次ぐ練度、スマートさを持っています。pp時の脆さは若干ありますが、tuttiの音楽性の高さは特筆すべき点です。
  • Bs弾きとしては、アンプの配置含めて音作りがちょっといただけなかったのはここだけの話です。

ネガティブな点もいくつかありましたが、この演奏会は久々に充実した演奏をきくことができました。ほぼ全曲見知った曲だったのもありますが、やはりレベルの高い音楽を聞くと勉強になるものです。次回もまた行ってみたい、そう強く思わせる演奏会でした。

 

カルメン幻想曲:F.ボルヌ(Fl:大山3曹)

クラリネット協奏曲:P.スパーク(Cl:岡田海士長)

Jupitar:G.ホルスト(Vo:中川2士)

TIME MACHINE~Past and Future~:清水大輔 ※委嘱初演

パントマイム:P.スパーク(T.sax:石飛2曹)

トランペット協奏曲:A.アルチュニアン(Tp:藤沼3曹)

ボレロ:M.ラヴェル

(En)かもめが翔んだ日:渡辺真知子(Vo:中川2士)

(En)軍艦マーチ:瀬戸口藤吉