ヘ音記号のひとりごと

モノ多め、音多め。日々徒然なるままに生きていきたい。

イヤホン~⑭final audio design heaven V aging~

年の瀬もいよいよ近くなってまいりました。ボーナスがでた企業も多かったのではないでしょうか。公務員ボーナスは軒並み上昇しているなかで、私のボーナスも…といきたいところですが、そんなに世の中甘くはないですね。いただけるお金をうまく利用させたいところです。「金は天下のまわりもの」利用した文のお金が自分にも戻ってくる、そう信じて日本経済に積極的に貢献していきたいものです。(→自分の無駄遣いの正当化にほかなりません)

久しぶりのこちらのエントリです。

final audio design heaven V aging
final audio design HeavenVAging バランスドアーマチュア型イヤホン FI-AHE5BSB

final audio design HeavenVAging バランスドアーマチュア型イヤホン FI-AHE5BSB

 

 以前、final audio design heaven IVについてのレビュー記事を書きました。考えれば、去年の年末に購入したもののあまり登場する機会が少なくなっていたあの子。そして、FADの世界観が気に入っていたにも関わらず嫁に出してしまったあの子。そして嫁に出したことを時々悔やんでいたあの子。そんな娘が一回り渋くなって私のもとに戻ってまいりました!(しばらく戯言にお付き合いください、すみません)

なんの気の迷いかheavenIVを売却してしまったことをすごく後悔してしまった私に朗報が入ってきました。インストのバンド、indigo jam unitというバンドが10周年を迎えるにあたり記念CDを出すとのこと。そのCDにオマケとしてFAD V agingがついてくるということ。そしてなんと価格は驚きの1万円(!!!)ということ。

正直耳を疑いましたが、でもこの情報ホントなんです。市価2万円はくだらないこのイヤホンが半額で、しかもCDのオマケ扱いでついてくるなんていうことはなんという大盤振る舞い。コレを逃す手はない、ということでさっそくホームページを見たところ既に売り切れ。諦めきれず某巨大掲示板をさまよっていたところ、タワーレコードに数量限定、店舗限定で入荷されている情報を聞きつけました。発売日は12/9、この時点で確実に在庫を保有していそうなのは札幌、梅田、渋谷、新宿。この情報を手に入れたものの最初は横浜のタワーレコードに行ってみたものの撃沈、その後無理矢理都心に行き、なんとか手に入れたのがこの商品です。

という長い前置きは置いといて、さっそくレビューです。(まだ十分なエージングができていないことはご容赦ください)

  • ハウジングは普通です。ですが、見ての通りのこのビジュアルが好き嫌いがおもいっきり別れます。スラブ加工をしてあるとのことで、長期間利用することによってエージングが進むというのがこのイヤホンの唯一無二の特徴です。見た目がボロッとしてくるとか、5円玉と同じ匂いが手につくとか、そういったことを気にされる方はご遠慮いただいたほうがよろしいかと。
  • イヤーピースは通常型と砲弾型の2種類、それぞれSMLがついてきます。
  • 音域はシングルBAらしく、中音域にピークを持ってきてあります。またFAD共通の特徴として超低音、超高音域をカットしてあるような感じがします(これはheavenIVと変わらない特徴です。このおかげで丸みを帯びた独特の音に仕上がるんでしょうね。)ただ、解像度はheavenIVに比べるとかなり高めです。
  • タッチノイズは盛大にあります。このイヤホンのマイナス点はココ。
  • 遮音性は普通です。イヤピにあまり変なこだわりがないので、フィットすればかなり高めの遮音性。
  • 音量はかなりとれます。おそらくインピーダンス低いんでしょうね。
  • 音場はかなり横に広め。これも他のメーカーにはない特徴です。ホールのステージで、指揮者の位置から音楽を聞いているような錯覚に陥ります。右の楽器は右から、左の楽器は左から。スピーカーだとニアフィールドで聞いた感じに似ているのかもしれません。
  • 精細感は非常に高いです。しかしながら、heavenVIほどストレートな感じはしません。やはり真鍮製のハウジングのいい部分を受け継ぎ、音が丸く柔らかく聞こえます。これは美点。

最近はD型、もしくはハイブリッドばかり聞いていたので心地よい強めの低音に慣れていたせいか、久々のBA機はmore低音!といった気がしたのはナイショです。とはいえ全体的な音作りの方向性はかなり明確。こういうふうに音楽作りたい、という製造者の意図を汲み取った作品に仕上がっていると思います。高精細BAユニットはどちらかというと刺すような音になったりしますが、このイヤホンは真鍮製のハウジングのお陰でまろやかな音がします。分析的に音楽を聞く方は上位機種(heavenVI)かもうひとつの機種(heavenV)が良いかと思いますが、楽しく聞きたい方、Acousticな楽器を主にきく方はこちらはかなりお勧めです。

ただし、普通のイヤホンとは音作りの方向性が違います。一度試聴されてからの購入、もしくはサブとしての購入が吉ですね。私は今度は嫁に出さず、最強のサブ機としてときどき登場していただこうと強く心に誓っています。

 

indigo jam unitについても少しだけ。長年音楽を「一発録り」にこだわるバンドで、ツインDr、Pf、W.Bassの4人構成。音を聞いてぶったまげました。むちゃくちゃカッコイイです。私はBsの人なのでどうしても視点はそちらよりですが、ファンキーなW.Bassが本当にカッコイイ。いわゆる美音系のpfも素晴らしいし、曲の作り方も私のストライクゾーンどまんなか。変わらない流れの中に徐々に変わっていくフレーズ感や遊びはLiveのような仕上がり。あまり期待していなかったという言い方は失礼ですが、このグループも一気にファンになりました。このような素晴らしい企画をしてくれた企画の方に改めて拍手を。