ヘ音記号のひとりごと

モノ多め、音多め。日々徒然なるままに生きていきたい。

初心者向け必携「St.Bass」教本

鷲見さんが、St.Bのための教則本を出されました。早速読んでみましたが、非常に良い出来です。特に、楽器を始める方や周りに習えるオトナがいない方、ぜひ読んでください。必ず読んでください。必携の本です。

本日の駄文

2015/3/14は久々の大型ダイヤ改正でしたね。テレビではNHKまで北陸新幹線開業の様子をレポートしていましたが、首都圏に住む我々にとってはもうひとつ、「上野東京ライン」の開通も大きなトピックです。横浜方面から宇都宮まで移動したことがありましたが、選択肢が増えることは歓迎です。が、それに伴い人身事故時の広範に渡る影響は頂けません。開業初日に品川でトラブルがあった際には、高崎線、宇都宮線、常磐線、山手線、京浜東北線、東海道線、横須賀線、総武快速線、湘南新宿ライン、上野東京ラインぜーんぶが遅延してました。組み上がったパズルを1つ崩すと全てが崩れる、そんなことってどうなんでしょう。JR全てが京急並みの素敵なプロばっかりではなかろうに…。

初心者向け必携「St.Bass」教本

久しぶりに、St.Bassの教本を買いました。St.Bass=弦バス、よく吹奏楽界で言われる名前です。敢えて今回この言い方をしたのにはわけがあります。

入門者のためのコントラバス教本

入門者のためのコントラバス教本

 

わざわざ発売日に、教本を買うなんて狂気の沙汰かもしれませんが、この鷲見さんの本ということで、どのように書いてあるかを非常に興味深く楽しみにしていたのでした。内容を見たところ、期待以上に素晴らしいです。

とくに前半ページ半分は、写真多めで初心者(楽器を初めて触る方)向けに陥りやすいマイナスポイントを1つずつ潰して書いてあります。この通りに弾けばだれでもうまくなる!という魔法の本ではありませんが、少なくとも「この本の通りにやれば、誤った方には育たない」という感じでしょうか。

前半はひたすら読み物としても楽しいですが、後半になってくると基本の指使いやオーケストラスタディなんかが入ってきます。初心者向けの本は、メロディーがなくつまらないことが多いのですが、この本は「演奏してなんぼ」というところをよくわかって書いてあります。もちろん、最後には左の薬指を使ったポジションまで乗ってきて結構エグい(?)こと書いてありますが、まぁそれはそれとして。吹奏楽の世界ではそこまでやることはよっぽど少ないですから、飛び道具的に遊びでやってみるのがよろしいかと思いますよ。(と、通りすがりの吹奏楽でしかSt.Bを弾かないオトナが言ってみますよ。)

ちなみに、コントラバス向けの有名な教則本として誰もが通る道として、シマンドルの教本があります。

シマンドル : 新コントラバス教本 第1巻 (英語/日本語版)/カール・フィッシャー社

シマンドル : 新コントラバス教本 第1巻 (英語/日本語版)/カール・フィッシャー社

 

だれでも知っているオレンジ色の表紙、初心者でもわかる「シマンドルの**ページくらいをやってます」という言い方。もうスタンダードと言っても過言ではない本で、いわゆる教本らしい教本です。普通は。なぜこんな言い方をするかというと、普通ではない学校が非常に多いんです。吹奏楽の世界は。

吹奏楽=息を入れて楽器を鳴らすわけで、弦楽器として唯一の存在である「弦バス」奏者はなかなか練習が難しい環境にあります。隣のオジサンがラッパ吹いてました、クラリネット吹いてました、という環境は結構あっても、好き好んで「弦バス弾いてました」なんて人、そうそういません。顧問の先生も、バンドトレーナーの先生だってあんまり楽器のことを知らない人が多いから 、どうやって弾いたらいいか分からず我流で演奏する人がほんとうに多いんです。だから、シマンドルをとても器用に「弾きにくく」弾く学生さんを本当に多く見かけます。非常に残念ながら。

そんな事情を分かって書いてあるのが、先述の鷲見さんの本。この方もコントラバスを高校で始め、全国大会常連校(関東一高、懐かしいですね)を経てヨーロッパで活躍されたという経歴から、国内のコントラバス事情に詳しい方だと思います。シマンドルと同じように、各学校に是非1冊。顧問の先生向けのチェックシートもついていますから、関係各位絶対一度は読んでください。オススメします、という言い方ではなく、絶対読んでください。それくらい語気強めでいい本です。 

ついでにもう一冊。「朝練」シリーズのコントラバス版。永島さんが書いている本ですが、こちらは朝練の30分の基礎練習向けに書いてある本です。このコンセプトどおりに使えば非常に有用。逆の言い方をすると、1時間以上こればっかりやるにはちょっとつまらない(飽きる)かもしれません。あ、いい本ですよ。用法用量をわきまえて練習しましょうね、ということです。

朝練 コントラバス 毎日の基礎練習30分 永島義男 著

朝練 コントラバス 毎日の基礎練習30分 永島義男 著