ヘ音記号のひとりごと

モノ多め、音多め。日々徒然なるままに生きていきたい。

循環呼吸って難しいよ…

循環呼吸って難しいです。アマチュアの人が一朝一夕でできるような簡単なものではない。しかも、使う機会はほぼナシ。でも、宴会芸としては意外とウケる、そんな存在です。

本日の駄文

昨夜、久しぶりに会った友人と飲んでました。彼、少し悩んでいたようです。私はカウンセリングしたような形で話を聞いていたのですが、一番彼から感謝されたのは「問題点を意識することができたこと」だそうでした。なんだか自分の心がモヤモヤするときは、どこにその原因があるかハッキリすると、意外と解決への糸口がみえること、ありますよね。まぁ、問題が明白で解決策も簡単でない場合は難しいですが。お金がないとか…(泣)

循環呼吸って難しいよ…

昨晩、帰宅したときにちょうど関ジャニ∞が出演している音楽番組を放送していました。私この番組大好きで、音楽に関するディープな知識をいろいろと掘り下げてわかりやすく解説してくれます。毎週定期録画もしているくらい。

で。今週は管楽器特集だったのですが、Tuba奏者の方が循環呼吸を披露していましたね。スタジオ驚愕、びっくり人間大賞に出れる!というリアクションに、昔循環呼吸を挫折した私、「一般の人から見たら、これってびっくりだよねぇ…」なんてひとりごちながら番組を視聴していたのですが、その後Twitter上のトレンドワードとしても「循環呼吸」があがってくるくらい皆さん驚かれていたようです。そんなわけで、もと管楽器奏者の私も循環呼吸についてもう少し深く掘り下げてみようかと思います。

循環呼吸の練習方法

Google先生で検索しても出てきますが、循環呼吸の練習方法として有効なのは、やっぱりストローを使ったもの。水をぶくぶく言わせながら鼻で息を吸うのですが…実際やってみてください。まー普通の人には無理です。口の中の息を吐きながら鼻で息を吸うのが、どれほど人間の身体に無理を強いるか一発でわかるはず。(実験なさる場合、むせないようにご注意を!)

ちなみにTubaでは、この「鼻で息を吸う」方法以外にも、マウスピースがあたっていない部分、唇の脇から息を吸う方法もあったりします。が、これも原理的には一緒。こっちのほうがちょっとだけ簡単かな?息を口の中にためて、口の中の空気を吐き出しているスキに唇の脇から息を吸う。言葉にすると簡単ですが、実際にやろうとすると難しい。

循環呼吸が必要とされる場面

管楽器を演奏するときは、必ずブレス(息継ぎ)の場所を意識する必要があります。息を吐きながら楽器に息を通して音を出します。リコーダーと一緒ですね。通常、音楽的にはフレーズ(旋律)を意識して演奏し、メロディー楽器はそれほど循環呼吸が必要とされる場面はありません。ただ、低音楽器は「ずっと音が途切れないで音がなっていてほしい場面」に出くわすこともあります。こんな時が循環呼吸の使い時。古い音楽を演奏するとき、1本のTubaで60秒以上楽器を吹き続けなきゃいけない、なんてシチュエーションだったら循環呼吸が生きてくるでしょう。

循環呼吸の大変さ

身体に無理を強いる循環呼吸。これ、練習だけだったら意外と簡単にできる人もいるみたい。私の友人のTuba吹きの師匠の大師匠がロジャー・ボボという世界的に有名なTuba奏者だそうで、彼は「こんなの練習すれば誰だってできるようになるよ、ゲーム感覚でやってごらんよ」と教えられたそうです。Tuba吹きの師匠、それを聞いてほぼ1週間で特殊技能を体得したそうですが…(さすがプロになる方は素養が違う…)

この循環呼吸で一番大変なのは、音を均一に保つこと。ただ息を吐き続けるだけではなく、いかに「いい音」で楽器を鳴らすかのほうがはるかに重要。呼吸を切り替えるタイミングでアンブシュアが崩れたり音質が変わったりしてはいけない。それが難しかったとプロは語っておりましたね。

結局、必要?

私も中学時代のひよっこのとき、Tuba吹きでした。吹奏楽雑誌で「循環呼吸」という魔法のようなワードに引かれて練習を試みるも、撃沈。とうぜんスマホもInternetすらない時代、さらに中学生という体格的にもまだ未成熟な時代に練習することに無理がありました。ストローブクブク練習法なんて目からウロコだったし。

では例えば今、私が中学生のTuba吹きに循環呼吸の練習を薦めるかといえば…答えはもちろん、「No!」。循環呼吸の練習をするくらいなら、その時間をもっと基礎練習に使ってほしいです。ただ、お遊びとして(部活動のかくし芸大会の練習として)練習するくらいならば確かに楽しいかも。私も実際に循環呼吸ができる友人の技を見て「すっげー!」って驚きましたからねぇ。曲中で使うことは、まず、ないです(爆笑)

 

友人の師匠の大師匠、ロジャー・ボボ。そのTubaの音色はまさに神。その教えは、とにかくいい音で楽器を鳴らすことだそうでした。今でも大尊敬する、Tuba界の文字通りレジェンドです。