世の中のお父さん、お母さんは吹奏楽が嫌いな方もいるでしょう。
吹奏楽部が拘束時間が長い、受験勉強もできやしない。そんな方々へのアンチテーゼです。
吹奏楽部がダメなわけ
- 他の文化部とくらべて活動時間が長い。
- 体育会系文化部と言われるほど、キツイ。体力も必要。
- かといって、体育会系の部活よりも活動時間が長い。
- 朝練もやるし、夜も練習やってる。
- その割に、聞くといまいちうまくない。(うまいかもしれないけど、そこまで心に響かない)
- 演奏会の前は、勉強なんて考えられない。
- 受験も、3年生は夏のコンクールが終わらないと受験勉強スタートできない。
- おかげでいい学校に行きたくても行けない。
- 全部悪いのは部活のせい。
ありますよね~、こんな感じ。さて、それに対する私見です。
楽器の習熟度合いに個人差がある
楽器の集団が吹奏楽、団体競技です。しかも、ひとりひとりが役割をしっかり持っています。こんななかで活動してると、どうしても上手/下手な人が出てきてあたりまえ。しかも義務教育中の子供のやるときなんて差が出ないわけ無いですよね。上手な人は下手な人にあわせるか、指導する。みんな一緒にうまくなる、わかるまでできるような勉強と同じ尺度なんてありえないわけです。そりゃー関わる時間も多くなりますよね。
そもそも、楽器って難しい
至極一般的な話として、プロ野球と高校野球をみてると歴然と差がわかりますよね。それと一緒で、プロだったらそれなりの教育をうけていたりします。まったく一緒のことで、一般の人がやるには、管楽器ってちょっとむずかしいんです。(弦楽器なんてなおのこと。バイオリンを幼少期からやっていないと聴けないというのはそういったこともあるんでしょうね)たまーーーにうまい人いますけど、人並み以上に努力しているか才能があるかどちらかです。プロだって毎日、何時間と練習するんだから、それこそ学生が太刀打ちするにはそもそも難しい話です。
コツを分かる人が身近にいない
となりのおじさんが、たまたまトランペットをやっていて、しかもその人は相当な趣味人で、子供の楽器を見てくれる、という宝くじでもあたるような確率の人ならまた別ですが、フツーの人は先生=先輩になります。見よう見まねで学校内で技術が伝承されていくのです。野球、サッカー、テニス、バスケ…授業で一度はやったことあるかもしれませんが、音楽の授業はリコーダーとピアニカくらいですよね?きちんとした先生に付けば、だれだってそれなりにうまくなります。たまたま解ってる大人が少ないだけなんです。
団体だからこその楽しさ
学校のクラスマッチとかで、学級ごとに戦った機会はだれでもあると思います。あの時のアツさ、恥ずかしいくらいでしたよね?あの感覚が、夏のコンクールはずっと続くんです。しかも、勉強じゃないから人間関係や後輩への指導、先輩に対する反発や先生に対する一致団結。見ていて恥ずかしいくらいにアツくなれる場所が部活なんでしょうね。
せやかて、吹奏楽部賛辞を私もする気はありません。ただ、現在も吹奏楽をやっている人からすれば、以上のようなことを乗り越えて頑張ること、これこそが吹奏楽の醍醐味かも、と思ったのです。裏を返せば、
- それなりに才能がある人が
- それなりの人に教育を受けて
- それなりの時間練習して
- それなりに団体としてまとまっていれば
それなりの成果は残るものです。具体的には、コンクールで全国大会に出れるのです。そんな魔法ができるのは、顧問となる先生しかいない(地位、権威、金銭)、だから先生を崇拝しているように見られるのかもしれませんね。事実、いい先生についた生徒さんは、楽器的にはもちろんですが、人間的に非常に魅力的な人材に育ちます。
あ、つい書いている自分がアツくなってしまった…
ひっそりとおねがい
もし、身近なお子さんが吹奏楽でアツくなっている方、暖かく見守っていていただけますと嬉しいです。
でも、それ以上に勉強だって同じくらい大事なこと、と言っていただけますとなお嬉しいです。
お子さんから吹奏楽をとったところで、成績が上がることありません。であれば、せめて吹奏楽がうまく生活で回るようにサポートいただけますと、私としてこれ以上うれしいことはありません。