ヘ音記号のひとりごと

モノ多め、音多め。日々徒然なるままに生きていきたい。

チャイコフスキーもオー人事…?

最近また演奏されることが多くなった、チャイコフスキーの弦楽セレナーデ。ラジオ版のCMの原曲の扱いがひどすぎて閉口。もうすこし原曲を尊重してほしかったなぁ、と。

本日の駄文

平昌でのオリンピック、始まりましたね。昨日のジャンプで沙羅ちゃんがメダルをとったりして日本国内でもようやく盛り上がってきた感のある五輪。でも私史上では最高に盛り上がりに欠けるんです。なんというか、競技以外のこと(史上最高の寒さとか、一部ハリボテの会場とか、お客さんがあまり入っていないマイナー競技とか…)が盛り上がりすぎて、競技があまり頭に入ってこない…。さすが隣国クオリティというか、なんというか…。

チャイコフスキーもオー人事…?

ここ最近、テレビでもラジオでも「オー人事」のCMが流れるようになりました。このCMで流れる曲が、ご存知チャイコフスキーの弦楽セレナーデ。お恥ずかしい話ですが、以前この曲が流れてきたときはチャイコフスキー大先生の曲ということすら知らず、一種のCMソングだと思って聞いていた若かりしとき。(というか吹奏楽の世界しか知らなかった)以前室内楽をやっている友人からこの曲を演らないか誘われたことがありました。弦楽器をやっている人間からすると一回は演っておきたい曲の1つ。悲壮感漂う旋律は美しく、やっぱりいい曲だよなぁと思います。

で。この曲について少し思うところがあって本日のトピックスと相成るわけですが。このCMのTV版はさほど問題にならないんです。問題としたいのは、ラジオ版。ラジオでもこの旋律が流れるのですが、妙に編曲してあったりするんです。よりゴージャスな弦楽セレナーデというか…。そしてさらに悪い事に、チャイコフスキー先生が自分の曲を宣伝しながら企業のCMをするというシチュエーションのCMまであって…ちょっとこれはいただけない。正直、クラシックやっている人間からすると大変に失礼に当たる気がするのです。

多少の編曲は許されると思うんです。(昔やっていたアメリカ横断ウルトラクイズとか、無断編曲の嵐だったそうで今では権利関係にうるさくてそのままの音源がほとんど使えない状態だったりするそうです。)でも、作曲者扮するナレーターが、「自分の曲がこんなCMに使われるなんて…」と嘆くCMを作ってしまう企業側(もしくはCM製作者側?)の無神経さを疑ってしまうのです。

今で例えれば…そうですねぇ、江頭2:50の出囃子となってしまっている「スリル」を、布袋さんがノリノリで紹介しながらギターを弾いてる、的な。いや布袋さんだったら意外とノリでやってくれそうな気もしますが…作曲者が意図しない方向で楽曲が使われたらどうなんだろう、と。しかも編曲も変えて使われるのはいかがなものかと。さすがに作曲者に対して失礼ではないかと思うのです。

CMに、クラシック楽曲をそのまま使う分には良いと思うのです。ハリウッドの映画だってクラシックをリバイバルして利用することで大ヒットした映画はたくさんあります。ただ、そういった場合も原曲を尊重して利用していたはず。せめて、原曲を愚弄するような使い方はしてほしくなかったなぁ…。ちょっと悲しい気持ちになった週末でございました。