自分にとっての最高の瞬間。それはやはり「ゴールド、金賞」を聞いた瞬間です。いままでの自分たちの苦労が報われる、その瞬間です。
本日の駄文
やっぱり(予想通り)、オリンピック期間中の医療崩壊が現実味を帯びてきましたね。これから先オリンピックは絶対に中止にはならないだろうし、感染者数が減少することもありえない。いったいどうなっていくんでしょうか…家で閉じこもっているのが一番の良策なのはわかるけど…モヤモヤ。
ゴールド、金賞。その瞬間。
はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」
私が一番記憶に残っている、あの日。考えてみると色々とありますが…やっぱりわたしは吹奏楽で育ってきた人間ですから、コンクールの結果発表の瞬間が一番グッと来た瞬間です。あのときほどドキドキした瞬間はなかったし、喜んだ瞬間もなかったと思います。
そんな中でも、記憶に残っているのは、やはり学生時代の最後のコンクール。それまで私の学校はどうしても金賞に手が届かず、銀賞止まりを続けていました。毎年目標に「コンクール金賞」はあったものの、例年同じようなところで詰まり、最後の壁を超えることができなかったんですよね。だから、私の同期は「改革」を推し進めました。
そもそも、なんで目標として「金賞」が必要なのか。金賞とらなくてもいいんじゃないか。そこから議論を始め、部員一丸となって目標の共有化を図りました。毎日の練習で課題が出たところをなんとかして潰していき、自分たちの自信を深めました。指揮してくださっている先生に食らいつき、なんとか先生の音楽を自分たちで表現しようとしました。いままでやったことがなかった試みもたくさんやってみました。そして、コンクール当日。
緊張のあまり、私も最初はあまり上手く弾くことができませんでした。身体がガチガチに固まってしまい、きちんと音が出ていたかどうかもわかりません。ただ、必死に音楽に食らいつき、自分たちの演奏を終えることができました。終わった瞬間、「自分たちの演奏ができた、これで結果が伴わなかったら仕方ない」そう誰もが思っていたと思います。細かいキズはあったけれど、充実感で満たされた本番でした。
そして、結果発表。通常であれば、出演者は客席に陣取って結果を聞くことになるのですが、われわれの本番は全出演団体のうち終わりから何番目、という出番だったこともあって、結果発表はちょうど楽器の積み込み作業と重なってしまっていたのです。そのとき、オトナな事務局の方々が「結果発表だから、舞台裏まで来ていいよ、そのとき楽器積み込み中断していいよ」といってくれたので、我々は結果を舞台裏で聞くことができました。あのときの事務局の方には本当に感謝しています。
その瞬間はやってきます。「ゴールド、金賞。」実際にその言葉を聞いた瞬間、不思議と声は出ませんでした。周りのみんなは歓声とともに泣いていましたが、わたしはただただ「ついにやった…!」という充実感を噛み締めていたことを、いまでも思い出します。そこからは夢見心地の1日でした。金賞の賞状とともに、雑誌に載った記念撮影。自分たちが映ったBand Journalはやっぱり今でも捨てられないですね…。
コンクールが中止になってしまった去年と比較すれば、まだ今年はマシではあります。が、コンクールの結果発表はホームページで発表とされるところが多いようです。同期たちと一緒に喜びあった、あの青春の瞬間を味わうことができないいまの情勢は悲しすぎるけれど、いつかまた、あの瞬間、あの熱気をホールで味わうことができる時代が来ることを信じたいですね。
ちなみに。吹奏楽関係者でないとわからない、「ゴールド、金賞」の意味。吹奏楽コンクールの結果発表は、壇上の先生から口頭で結果発表されます。そのときに、「金賞、銀賞、銅賞」のいずれかが発表されるのですが、「き」と「ぎ」が聞き取りにくいため、聞き間違いを防止する目的で、金賞の場合は「ゴールド、金賞」と発表される慣例があります。反応が良い団体だと、「ゴ…」くらいで歓声があがったりしてますよ。