ヘ音記号のひとりごと

モノ多め、音多め。日々徒然なるままに生きていきたい。

日野皓正さんの「体罰」に思うこと

本日の駄文

季節が変わるのが本当に早いですね。夏と秋が綱引きしながら徐々に秋優勢になってくるお天気ではありますが…それにしても、いきなり涼しくなると体調維持が難しくなりますよね。早く過ごしやすい季節にならないかなぁと願う次第です。

日野皓正さんの「体罰」に思うこと

少し前に、有名なトランペッター、日野皓正さんのニュースが世間を騒がせていました。演奏会の曲中、ドラムのソロを長時間演奏していた生徒のスティックをとりあげ、それでもなお素手でドラムを叩く生徒を「往復ビンタ」。世の中的には行き過ぎた教育の一環だとして非難される意見が大半です。

ただ、この報道が「体罰、ダメゼッタイ」という風潮だけではないことも潮流としては珍しいかなと。メディアによっては、その生徒自身が反省をしているし、生徒の父親も反省の意見を述べていることを報道しています。日野さん擁護ととられる方もいらっしゃるかと思いますが…私個人的には、日野さんの行動は致し方ないところだったのではないかと。

映像や情報からみると。

  • このコンサートは、学生向けの体験教育事業の一環であったこと。
  • プロ奏者からの教育を受けた、成果発表会というコンサートであったこと。
  • コンサートの最後の曲で、この曲はソロを回す曲であったこと。

という前提がある上で、

  • 通常、ソロを回す際はドラムは曲の後半であること
  • あまりソロを長くしすぎると、曲の構成がダレること
  • 学生がハイになっても、静止するべき人物が日野さん以外いなかったであろうこと
  • 学生が、JAZZのスタンダードをあまり理解していなかったであろうこと
  • スティックを取り上げられても、素手でドラムを叩き演奏し続けてしまったこと

から、日野さんは「体罰」を加えざるを得なかったのかなぁ、と思われます。確かに「舞台上で」往復ビンタし、怒鳴り散らしてしまった日野さんの行為自体は時代錯誤的かもしれません。しかし、本物のステージを生徒に伝えるためにはある程度こういった対応も仕方がなかったのかなぁと思うのです。。

私は吹奏楽畑の人間ではありますが、同様の経験が無いこともありません。コンサートの運営側として関わっていた団体で、舞台監督やステージマネージャーを出し抜く形で、無断で、ダブルアンコールを演者だけでされたことがありました。しかも曲は、その日のコンサートのメイン曲を2回も。コンサートの構成も観客のボルテージもあまり高まっていたとはいえず、ダマサれた…とかなり残念な感じだった記憶があります。テンションが高かったのは、演奏していた奏者と指揮者だけ。演奏会を聞きに来ていたお客様にとっては結構苦痛だったと思うし、ホール側にも迷惑を掛けてしまいました。(最終退出時間をオーバーしてしまい、その後そのホールは数年出禁になりましたしね…)

演奏することは楽しいし、音楽も楽しいものです。ただ、人に聞いてもらう以上、最低限のルールやマナーは必要だと思います。究極の自己満足演奏会であれば別ですが、そんなものはおそらく存在しない。かならずお客様がいて、それを楽しんでいただくことが私は音楽会をすることの喜びの根源ではないかと思うのです。今回被害をうけた学生も反省し理解してくれたようなのが救いですが、こうやって「ステージ運び」も勉強の1つなのかなぁ、でもそれをどうやって若い世代に伝えていけばいいだろうか。いろいろと考えさせられるニュースでした。