ドラクエのコンサートに当日券で聞きに行ってきました。結果、脱帽。やはりプロオケは大変勉強になる。それ以上に、耳慣れた音楽がオケになると迫力が違います。出る音はわかっていても、いざ弾こうと思うと激烈に難しい。そんな譜面をかる~く弾けるプロの実力。素晴らしい。
本日の駄文
いま、1年の中で一番つらい季節だと思います。例年以上に飛ぶ花粉、思わぬ冷え込みでみぞれのような雨の舞い散る首都圏、そして年度末進行のおしごと。そんな本日は震災から5年。この5年を振り返り、生かされていることの意味を確かめながら、毎日を過ごしていくきっかけになれば。そんな1日です。
2016/3/10 新日本フィルハーモニー交響楽団 ドラゴンクエストコンサート(ドラクエⅢ)@神奈川県民ホール 大ホール
昨日はたまたま横浜で早めに仕事が終わり。なんとなーくwebを眺めていると、その日の夜に近場で新日フィルが演るじゃないですか!しかも曲目はドラクエⅢ!私が一番最初にやったドラクエで、当時社会現象になった作品です。なぜあんなにフィーバーしたのか覚えていませんが、ゲーム音楽とクラシック音楽の融合を果たした記念碑的シリーズ。プロオケで聴くのは始めて。運良く当日券を手に入れることができ、堪能してまいりました。
- ロトのテーマはロト三部作のバージョンです。Hrのファンファーレから始まるこのテーマがやはり伝統、王道を感じさせます。
- FC世代の音楽の中で、いかにして音楽的な表現を求めることができるか、を追求していたのがこのころの音楽だと思います。(FCでは3音+Perしか音を重ねることが出来なかった)フレーズは必然的にアルペジオが多用されています。今回印象的だったのは、弦楽器の皆様が鬼のような速さでアルペジオを必死に引く姿。弦楽器奏者の端くれとしては、思わず手に汗握る演奏でした。
- プロオケ聴くのは久しぶりだった気がします。やはりプロの弦はTuttiが束で音が聞こえてきます。神奈川県民ホールはトリフォニーに比べると随分響かないホールですが、それでもまとまった弦の音を堪能できました。もう少し音程や縦のタイミングがあえばよかったんですけど、あの譜面ではある程度仕方がないことで…。
- FC版の音楽にリメイク版で加わった曲が含まれている今回の構成。新しい世代に作られた曲は音が厚く、よりリッチな響きがしました。「まどろみの中で」はドラクエの世界観が広がる曲だと思います。
- 今回聞いて思ったのは、実に中音域の使い方が上手いなぁ、ということ。Vnでも下の弦の一番甘い音がする音域で書いてあるので、ふくよかな響きが感じられました。その影響か2ndVnとVaが大活躍してました。個人的には大好きなVaがたくさん聞けたので嬉しかったです。
- 「ローリング・ダイス」のB.Cl吹きの外人さん、実にGJ。MarinbaのおねーさんもGJ。
- 一番のハイライトは、やはり後半。ラーミア→アレフガルド→ゾーマ→エンディング。もう言うことなし。ゾーマは鬼のような16部音符を必死にさらう弦楽器に脱帽。(大事なことなので二回言いました)
- アンコールはⅥの船とⅩの序曲。船の曲はどのシリーズもロマンを感じる曲ですが、Ⅵの曲は中でも切なさを感じる旅の情景が浮かぶいい曲だと思います。最後に最新作の序曲で締めてくれてよかったです。でもやっぱりⅢの交響組曲としては「そして伝説へ」で終わるのが王道だと思います。
ずっとドラクエⅢのオケCDを聞き、かつゲームにもハマった私としては、初の生オケは非常に内容の濃いものでした。アルペジオの1音1音は耳に残っているのですが、それを実際に演奏するときの苦労といったらなんと大変なことか。まるでたちの悪いエチュードのような「弦楽器泣かせ」の楽譜を引ききった流石プロな皆様に拍手です。Tb→Tpへの音の受け渡し方法や、弦楽器のpizz演奏方法、幽霊船の最後のCbのBartok pizzなど見どころも大変多かったです。
残念ながら、今後予定されている2回の演奏会(トリフォニーでのⅣ、Ⅴ)は残券が少ないようですが、5月にはミューザでⅠ、Ⅱ、Ⅲの演奏会を行う予定とのこと。客層も実に幅広く、ふだんオケをあまり聴かない方々が多かった今回。(思ったより女性が多かったのがびっくり!)知っている曲ならオケも寝ませんよ!たぶん。
交響組曲『ドラゴンクエストⅢ』そして伝説へ…
(第一部)
(第二部)
- ロトのテーマ
- まどろみの中で
- 王宮のロンド
- 世界をまわる(街~ジパング~ピラミッド~村)
- ローリング・ダイス
- 冒険の旅
- ダンジョン~塔~幽霊船
- 戦いのとき
- 回想
- 鎮魂歌~ほこら
- 海を超えて
- おおぞらをとぶ
- ゾーマの城
- 戦闘のテーマ~アレフガルドにて~勇者の挑戦
- そして伝説へ
- エーゲ海に船出して(Ⅵ・Ec)
- 序曲(X・Ec)
- アーティスト: ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団すぎやまこういち,すぎやまこういち,ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2009/10/07
- メディア: CD
- 購入: 2人 クリック: 31回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
- アーティスト: 東京都交響楽団すぎやまこういち,すぎやまこういち,東京都交響楽団
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2009/08/05
- メディア: CD
- クリック: 19回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
上から順番に、ロンドンフィル版、都響版、N響版。ロンドンフィルはちょっと「雑」ですが色彩感は豊かです。都響は今風の演奏でしょうか。私はN響版を聞いて育った人間なので、そちらが一番耳馴染みがあります。 そういえばこの時のN響の主席は先日題名のない音楽会にも出演されていた徳永さん。王宮のロンドも前提知識があるとより格調高く聞こえる気がします。そりゃーうまいや。