長年やってきた吹奏楽のオリジナル曲で、私の演奏するたぶんイチバン古い曲なのではないでしょうか。昔の室内楽の雰囲気がプンプンする、演っていてとても愉しい曲。こういった曲をうまく演奏できると、いいですよね。
本日の駄文
先週、お年頃(それなりなオジサン)が集まって試奏していました。曲は、明菜ちゃん!さすがにみんなどストライクの世代だったもので、ノリノリの演奏ができていました。知っている曲、好きな曲。いろいろ得意不得意ありますが、やっぱり青春時代の曲って皆さん歌い方わかってらっしゃるのね。
メンデルスゾーンの吹奏楽曲
お恥ずかしい話ながら、メンデルスゾーンが吹奏楽曲を作曲しているなんていうこと、いままでン十年吹奏楽の世界で生きてきて全く知りませんでした。その曲名は、「吹奏楽のための序曲」です。昔の楽器構成ですのでそれこそバセットホルンとかコントラファゴットとか入ってますが、それでもこの世代の作曲家が吹奏楽曲を作曲していたことについてとんでもない驚きを禁じえません。
この曲を演奏する機会に恵まれました。いつものバンドでは無かったので、助っ人初見大会一発勝負だったのですが…しかしまぁ、いつもの吹奏楽曲を演奏するのと180度違う感覚で演奏する必要がありました。それこそ、雰囲気は室内楽。音量勝負のカンタンな譜面ではなく、木管楽器の1つとして非常にテクニカルな、ただ弾いていてとんでもなく楽しい譜面でした。
こういった譜面を書く人、いまの作曲家ではいないのではないでしょうか。オケもののアレンジで、時たまチェロ譜を強引に書く人なら知っていますが、根本的な楽器特性が違う譜面を弾かせるのはなかば拷問に近いのかも。そういった意味で、この譜面って本当に貴重で素晴らしい。弦楽器特性をわかりやすく主張して書いてありました。(おそらく、コントラファゴット譜をそのまま弾いてるんだと思うのですが、ニュアンスはまるっきりコントラバスにも流用されています)
こんな曲、どう弾くか。音が容赦なく裸になりますので、実力勝負になります。松脂は量はいりません、薄めにつけて使う毛の量もさほど多くなく。音程やパッセージを基本に忠実に弾くだけではなく、音楽の歌い方まで考える必要があります。低音のド・ソ・ド・ソだった歌い方大事ですが、それ以上に歌いやすく、かつウタゴゴロを要求される譜面です。こういうとき、基礎練習でさんざん練習しているシマンドルとかをどれだけ音楽的に歌えているかの成果が如実に現れるところですね。適当に弾いてはいけません。あくまで譜面に忠実に。自分の音をバンド全体の中に溶け込ませながら、でも自分の存在をしっかり主張しながら演奏することが大事です。
譜面も無料で見ることが出来ますから(Wikipediaからたどれますよ)、一度チャレンジしてみるのも良いかもしれませんね。こういった曲がきちんと弾けるようになってこそ、「弦バス」一辺倒ではない、「コントラバス」としての愉しみも味わえるものだと思います。あー、自分のバンドでコレやりたいわー。