久しぶりの物欲記事はfinal Adadio V。実は期待していなかったのですが、いい意味で期待を大きく裏切る大好物の音でした。D型らしからぬ美音系の世界、ぜひ一度酔いしれてはいかがでしょう?
本日の駄文
なんとも残念なニュース。太陽誘電がCD-R/DVD-Rの精算から撤退するとのこと。その昔、まだCDやDVDの焼く技術が黎明だったころ、安いディスクはよくエラーがでてしまい、多少高くても「太陽誘電」製の日本製を好んで使っていた時代がありました。いまは(すっっっごい安いメディアはともかく)品質もある程度安定して価格もこなれていますし、なにより円盤を使う機会が減りましたからね。寂しいですね…。
イヤホン~㉕final Adagio V~
final ダイナミック型イヤホン Adagio V FI-AD5DSS3-A
- 出版社/メーカー: final
- 発売日: 2015/06/11
- メディア: エレクトロニクス
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私の好きなイヤホンメーカーに「final audio design」(現在はfinalという名前に名称変更)というメーカーがあります。以前BA型のheavenIVを購入したんですがなんの手違いが売却し、heavenVAgingをびっくりの安価で手に入れ、いまでも時折その澄んだ音を楽しんでいます。他メーカーとはっきり異なるBA型の特徴的な音は知っていましたが、安価なD型はちょっと…と思っていた矢先。奇跡的にフジヤエービックさんのOUTLET品(旧パッケージ)を見つけたことで俄然自分の中の虫がうずいてしまい、久しぶりにぽちっとなしてしまったのでした。というわけで、さっそくレビュー行ってみましょう。
- ハウジングが一番の特徴かもしれませんね。ステンレスの削り出しを利用していて非常に贅沢感があります。左右識別用の赤白のラインが入っていてそれもワンポイント。
- イヤーピースは多少大きめです。
- 音域は普通。格別広いわけでもないですが狭くもありません。すべての音がナチュラルに聞こえてくるのは正直驚きです。美音系のイヤホン。
- タッチノイズはそれほど感じません。がケーブルは少しチープ。さらにいうと、ケーブルがハウジングの穴から直角にぴょんと顔を出しているのでこのへんデザインが好みが分かれるかもしれません。AtomicFloyd SuperDartsなんかはかっこいんだけどなぁ。
- 遮音性は結構高め。
- 音量は普通にとれます。が、もしかするとアンプつないだほうが真の実力が発揮できそう。
- 音場は素直に広めです。横に広がるBA型のイヤホンとは違い、こちらは中くらいのスタジオ程度の広さを感じます。ノーマル。
- 精細感はまずまず。さすがにBA型と比べてしまうのは少し酷ですが、D型としてはかなりいい線いっています。ハイレゾガー、と騒がない通常の耳の持ち主の方であれば間違いなく満足できます。
聞く前からある程度は期待していましたが、今回はその期待を大きく上回りました。このイヤホンの特性は、なんといっても出音が素直なこと。D型に見られる特有のブーミーな低音はいい感じに抑えられ、高音域の華やかな感じもうまく表現できています。D型といえば、同じように私が持っているMOMENTUM In-Earも好きなのですが、音の温度や感じ方が真逆。ドイツ製のmomentumは丸みがある、あたたかみをもった音なのに対し、日本製のadagioは寒色系で実直、素直。同価格帯のSHURESE215だってD型ですが、shureはモニタライクであり、ともすればつまらない音になりがちですが、adagioは聞いていて落ち着く音。川のせせらぎのような安心感があるといえば多少過大評価かもしれませんが、実にいい音で鳴らしてくれます。
キーになるのは、その価格。以前は1万円がその相場でしたが、finalとなってからは一気に1.5万円まで値上がりしてしまいました。(原材料費を考えればしかたがないのですが)1.5万円だとしても、いまならFI-AD5DSS(旧会社名の製品?)がちょっとだけ安価に手に入りますので、このあたりご検討いかがでしょう…?積極的におすすめしますよ。