elecom製のBA採用イヤホン。なかなかこれがまた唯一無二の世界観です。硬いクリアな音質はボーカルを浮かび上がらせ、ながら聞きとしてはフィットしやすいですよ。
本日の駄文
ようやく世間では梅雨らしい天気になってきましたね。おかげで気圧に弱い私は倒れていたりするのですが、、、西日本の雨被害も深刻さを増しておりますので、みなさまどうかご安全に。被害が大きくならないことを祈るばかりです。
イヤホン(31)elecom EHP-BA100BK
イヤホンに関しても、久しぶりの更新となります。その理由は、イヤホンに対する情熱が消えてしまったため…ではなく、あまり音楽を聞く時間が無くなってしまったことにあるかもしれません。電車移動の道すがら聞く時間があった時代と比べ、いまはさほど音楽のお世話になることも少なくなっているような気がします。
そんな中、先日久しぶりに条件反射でAmazon先生からぽちっとしたイヤホンがあります。
elecom製のイヤホンといえば以前、「CH1000」を購入しご紹介したことがありました。この時も価格のわりにはしっかりした音を鳴らすイヤホンだなぁと考えていました。今回ついポチった理由は、前作の出来がなかなかに良かったこと、また久しぶりに単発BA機の音を聞いてみたくなったこと、そしてelecom商品お馴染みの「ありえないくらいの価格になってきたこと」が要因です。登場当初は15,000円だった価格はジリジリ値を下げ、Amazonタイムセールで5,980円で購入できました。
- ハウジングは小さめ。ひんやりとした質感がなかなかの高級感を醸し出すことに成功しています。
- イヤーピースサイズは…正直疑問。もう少しいい材質のシリコンつければよかったのに、と思います。おそらくイヤーピースを選べばかなりいい線行くイヤホンです。(詳しくは後述)
- 音域は、典型的な真ん中持ち上げ型。高温域がトゲトゲ、キラキラした感じはありません。低音域は自分で音を捕まえに行かなければならないほど控えめで、最低音はおそらくカットされています。
- タッチノイズはわりと感じます。ケーブル色が青色なのは、製品名「Aqua」を意識しているからでしょうか?
- 遮音性は普通。イヤーピースをフォーム状にすればかなり高くなります。
- 音量は取りにくい部類。ある程度パワーのあるアンプをつなげると真価を発揮するタイプ。だからといってDAP直刺しがダメというわけではありませんが。
- 音場は音楽室〜田舎の少ホール程度。残響は少ないですが、程よい広がり感はあります。
- 精細感や音の情報量は少なめ。
いつもは、こういった製品はあくまで標準品で評価するのが私の一種のポリシーなのですが、この製品はイヤーピースを変えることでかなり変わります。具体的には、多摩電子工業 ウレタンイヤーパッドM S0001Mや、JVC EP-FX9M-B 交換用イヤーピース スパイラルドット 6個入り Mサイズ ブラックなどを試してみました。今回は前者「ウレタンイヤーピース」で視聴した結果をご紹介しようと思います。(もちろん、お金があれば「コンプライ」がいいんでしょうけど)
この製品、まず聞いた感じは非常に硬質な音です。BA型をあまりこなれさせずにまっすぐに調整するとこういった音になるのかなぁ、という感想を保ちました。高音はキラキラせず、低音域はカットされているので、全ての音をモニタ的に聞くshureみたいなイヤホンとは性格正反対。でも、別ベクトルで積極的に足し算をおこなうVictorのイヤホンとも正反対。もともとある音楽から効率的に音を引き算し、耳障りよく仕上げている印象です。
ですから、低音聞きの私としては低音を強調する必要があり、イヤーピースをフォームタイプに変更したところ、これがどんぴしゃりだったというわけです。
引き算の結果得たものは、ボーカルが前面に出てくる、聴き疲れしないあっさりとした音楽でした。ボーカルものを聞いたり、ながら音楽を聞く際には本当にステキな音響効果を発生する秀作だと思います。また、声を明瞭に聞き取りやすい為、ラジオやスピーチなんかを聞くのにも適しているかと思います。反対に、ハードなロックやクラシックなんかを聞く際はかなり物足りなさも感じるんじゃないかと。
あとはなぁ、、、個人的に残念なのは、これが「elecom」というプラットフォームを持っていることでしょうか?最初が超強気の価格→最後には叩き売り といったメーカー方針ではなく、いっそのこと最初から最後まで定価販売に近い形で別ブランドで立ち上げていたら、結構世の中の評価が変わっただろうに。そう思うと少し残念。モノとしてはかなりいい線行っていますので、後継機種が出たらまた試して見ようと思います。(完全に価格が下がりきったら、の話…)